臨時勉強会を開催 金属屋根断熱改修指針を解説
当協会は、昨年6月に『既存建築物の金属屋根に対する塩化ビニル樹脂系ルーフィングシートを用いる断熱防水改修工事指針・同解説』(以下、本指針)を発刊しました。
本指針は、当協会が日本建築仕上学会へ委託した塩ビ系シート防水における断熱防水改修工法の標準化作業の成果物を取りまとめたものです。本指針では次のような考え方を基本として編集されています。
①屋根に作用する風圧力を設定するため、適用範囲として島しょ地域を除く東京都に所在する既存建築物の金属屋根が対象。屋根に作用する風圧力を求めて、耐風圧性を確保できることが確認できれば、東京都以外に所在する既存建築物の金属屋根にも適用の可能性があります。
②2021年2月に日本建築学会から刊行された『建築保全標準・同解説(鉄筋コンクリート造建築物)』の内容を参考として、既存の金属屋根に対する調査・診断、防水改修工事の設計標準、防水改修工事の施工標準、および防水改修工事が終了した後の維持管理の内容を標準化しています。
③建築基準法によれば、建築物の保全は所有者や管理者の責任において実施されなければならないため、「防水改修工事が終了した後の維持管理」の内容を規定して、適切な保全が図られることとしています。
発行に伴い、当協会は2023年4月25日、東京・文京区の全水道会館で、本指針の勉強会を開催しました。21名の参加者が熱心に聴講しました。
冒頭、当協会の佐々木浩会長が「十数年前から金属屋根の漏水工事について標準化してほしいという要望があった。学識者やメーカーの技術担当者など、さまざまな関係者のご協力を得て完成させることができた。東京都でも特に教育施設などで断熱化を伴う改修工事の需要は増えている。有効に活用していただきたい」と挨拶しました。
その後、本指針の各章(総則/既存屋根の調査・診断/設計標準/施工標準/維持管理)ごとに主要な部分を解説しました。
令和4年度後期技能検定防水施工合格者
厚生労働省の令和4年度後期技能検定(防水施工)の全国合格者がまとまりました(速報・新樹社調べ)。後期の実施作業は、アスファルト防水、合成ゴム系シート防水、塩化ビニル系シート防水、改質アスファルトシートトーチ工法防水の4作業です。
東京都の後期合格者数は合計64名で、作業別に見ると、アスファルト防水1級が11名、2級1名、塩化ビニル系シート防水が1級31名、2級7名、改質アスファルトシートトーチ工法防水1級が14名という結果になりました。
全国の防水施工技能検定合格者は、令和4年度後期を加えて、累計で83580名となりました。前年度と今年度の後期技能検定合格者を比較してみると、アスファルト防水は前回令和2年度29名、2級2名の計31名に対して、今年度は1級76名、2級5名の計81名となり、累計で5949名、前年度比261%と大幅に増加しています。合成ゴム系シート防水は前回令和2年度1級24名、2級5名の計29名に対し、今年度は1級27名、2級1名の計28名となり、累計で8003名、前回比96.5%と減少しています。塩化ビニル系シート防水では、前年度1級214名、2級27名の計241名に対し、今年度は1級187名、2級35名の計222名となり、累計で8781名で、前年度比92.1%と減少しました。改質アスファルトシートトーチ工法防水では、前年度1級123名、2級6名の計129名に対して、今年度は1級103名、2級4名の計107名となり、累計で4364名、前年度比82.9%と減少しました。
【告知】前期技能講習会開催のご案内
当協会では、技能員の技能向上のため、次の日程で改質アスファルトシート常温粘着工法の技能講習会を開催します。
講師をお招きし、テキストや講習会用架台などを使用して要点を分かりやすく説明します。
□開催日
7月19日(水)
□場所
都立職業能力開発センター府中校
府中市南町4-37-2
□講習内容
実技および学科
□時間
学科 受付:12時15分 講習:12時30分~13時
実技 受付:12時55分 講習:13時10分~16時10分
「都防協ニュース」72号を発行しました